説明
: 「武林盟主」謝冥渊は、唯一の娘であり「武林第一の美女」と称される謝天霸を、「当朝第一の奸臣」とされる寧遠侯に妾として嫁がせようとする。しかし、これに激怒した謝天霸は家を出て、雁華山を後にし、江湖を一人で渡り歩くことを決意する。初めての江湖での旅で、山下の世界に何も知らない謝天霸は困難に遭遇するが、偶然出会った風雨閣主・莫浩然(ばく こうぜん)に助けられる。薬王谷に伝わる医術を受け継いだ謝天霸は、莫浩然が奇毒「珈藍香」に侵されていることを一目で見抜く。恩返しと同情から、彼女は何度も莫浩然の毒の痛みを和らげようと尽力するうちに、二人は次第に惹かれ合う。正派が魔教討伐に集結する日、謝天霸は、自分の父が実は「武林盟主」ではなく、人々から恐れられる魔教教主であることを知る。雁華山を守るため、謝天霸は武林盟の隊伍に潜り込み情報を探るが、信頼していた莫浩然に利用され、正派の武林人たちを引き連れ雁華山に攻め込まれる。絶体絶命の中、謝天霸は死をも恐れず命を賭して師弟たちを守ろうとするが、莫浩然もまた命を懸けて彼女を救う。その時、修行を終えて現れた謝冥渊が真実を告げる。莫浩然の正体は、実は寧遠侯・沈悟帰であり、5年前、13歳の幼い皇帝を救うため「珈藍香」の毒を受けた人物だった。そして、専権を振るう国舅が忠臣を暗殺するため「血浮屠」と呼ばれる武林正派を組織していたことを明らかにする。寧遠侯は「莫浩然」として風雨閣を率い、魔教教主である謝冥渊と協力し、長きにわたる策謀を張り巡らせてついに血浮屠の背後にある門派を一網打尽にする。武林は浄化され、朝廷は安定を取り戻すが、寧遠侯は毒が致命的な段階に達し、功績を果たして命を落とす。しかし、莫浩然としての彼は薬王谷の後継者である謝天霸の妙手により救われる。こうして二人は神仙眷属(運命で結ばれた夫婦)となり、江湖の中で自由に生きる道を歩むのだった。